時を越える鉄道小旅行。苗栗・三義の秘境で楽しむ、旧山線レールバイクと森に佇むクラフト空間

| By Rita Liu Rita Liu

時を越える鉄道小旅行。苗栗・三義の秘境で楽しむ、旧山線レールバイクと森に佇むクラフト空間

週末に台北の慌ただしさから少し離れたいなら、台湾中部の苗栗・三義は、気持ちをゆっくり整えるのにちょうどいい場所です。ここはかつて台湾西部鉄道で最も標高の高い地点として知られ、鉄道の音が山あいに響いていた歴史を持っています。今ではその役目を終えた線路が、創意あるかたちで生まれ変わり、歴史の面影と森の風景が溶け合う癒しのエリアになっています。今回の1泊2日のモデルコースをたどりながら、三義の山あいの空気と、ゆったり流れる時間を味わってみてください。

1.舊山線鐵道自行車

苗栗で今もっとも人気の体験が「旧山線レールバイク」。かわいらしい電動車両を自分で運転しながら、100年以上の歴史を持つ旧鉄道を進んでいきます。最大の見どころは、「魚藤坪鐵橋」を渡る瞬間。高さ33メートルから望む「龍騰斷橋」の姿は圧巻で、思わず息をのむほどの迫力です。光が揺らめくトンネルを抜ける体験も含め、まるで異世界を旅しているような感覚を味わえます。

2.勝興車站

「勝興車站」は1906年に建てられた歴史ある駅で、木造の梁や柱には日本統治時代の精巧な建築技術が今も残されています。レトロな雰囲気のホームを歩けば、両側に木造の駅舎が並び、まるで時間がゆっくり止まっているかのよう。現在は列車の運行こそありませんが、その静かな空気が訪れる人を惹きつけています。周辺には客家文化を感じる小さな店が並び、地元の軽食を手に線路沿いでひと休みする時間は、台湾らしい穏やかな旅のひとコマです。

舊山線鐵道自行車
住所:苗栗縣三義鄉勝興村14鄰勝興88號(勝興站)
   苗栗縣三義鄉龍騰村4鄰外庄20-2號(龍騰站)
公式ホームページ:https://www.oml-railbike.com/_pages/info/index.php

勝興車站
住所:苗栗縣三義鄉83號

3.勝興365青創基地

「勝興365 」は、勝興車站から歩いて行ける距離にある、地元の若手職人たちが集まる複合クリエイティブ空間です。伝統工芸と現代的な感性を掛け合わせ、新しい形のものづくりを発信しています。陶芸や木工、織物など、手仕事の温もりが感じられる作品が並び、訪れるたびに新しい発見があるのも魅力。単なる買い物の場ではなく、職人と直接対話しながら台湾の“いま”の創作文化に触れられる場所です。

勝興365青創基地
住所:苗栗縣三義鄉勝興村36-5號

4.卓也小屋

「卓也小屋」 は、山霧に包まれた森の中に佇む、レストラン・宿泊施設・藍染体験が一体となった森の複合空間です。ここで人気なのが、台湾伝統の「大菁藍染」体験。職人の指導のもと、自分だけのスカーフやバッグを染めることができ、染料の中で色が翠緑から深い藍へと変わっていく様子は、思わず見入ってしまうほど幻想的です。木造建築や曲がりくねった小径が広がる園内は、まるで小さな隠れ里のよう。森の空気に包まれながら過ごす時間は、心と身体をゆっくり整えてくれます。

卓也小屋
住所:苗栗縣三義鄉雙潭村1-9號
公式ホームページ:https://www.joye.com.tw/index/

苗栗・三義の魅力は、古い記憶を新しい感動へと変えている点にあります。旧山線の鉄道遺構や、職人が手がける藍染のぬくもりを通して、この地の歴史と文化に静かに触れることができるでしょう。