鳳梨酥と土鳳梨酥の違いは「冬瓜」だった!同じパイナップルケーキでも甘さも酸味も別物
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台湾みやげのパイナップルケーキをひと口かじって、「思っていたより甘い」「意外と酸味がある」と感じたこと、ありますよね。その答えは、鳳梨酥と土鳳梨酥の違いにあります。
じつは同じパイナップルケーキでも、餡は大きく分けて2種類。冬瓜を混ぜたなめらかな餡の「鳳梨酥」と、パイナップルだけで作る繊維感のある餡の「土鳳梨酥」です。
今回は、鳳梨酥と土鳳梨酥の違いを餡・生まれた理由・品種・値段の4つで比べ、好み別の選び方までご紹介!
※価格・店舗情報は2026年10月時点のものです。

ここが違う①:餡(冬瓜入りか、パイナップルだけか)
冬瓜入りの鳳梨酥は、かじった瞬間に餡がなめらかに舌の上でほどけて、酸味はほとんど感じません。土鳳梨酥はその逆で、ほのかな酸味が先に来て、パイナップルの繊維がしっかり残ります。まろやかさを取るか、果実らしさを取るか。選び方はここから決まります。
| 鳳梨酥(冬瓜入りの伝統餡) | 土鳳梨酥(パイナップルのみの餡) | |
|---|---|---|
| 餡の原材料 | パイナップル+冬瓜(とうがん)、砂糖、麦芽糖 | パイナップルのみ |
| 味 | 冬瓜を加えて酸味を抑え、まろやかに | ほのかな酸味がある |
| 食感 | なめらか | 繊維が感じられ、粘りが少ない |
| 読み方 | フォンリースー | トゥフォンリースー |
名前の「土」には、「その土地の」「土着の」という意味合いがあります。
ちなみに、いま「鳳梨酥」として売られているものの餡は、パイナップルに冬瓜を混ぜたもののほか、冬瓜だけで作ったものも多いとされています。箱を手に取ったら、まずどちらの餡なのかを確かめておきたいところ。
ここが違う②:冬瓜が入った理由(1970年代の事情)
話は1970年代にさかのぼります。台湾ではパイナップルの輸出が落ち込み、果実が大量に余ってしまいました。そこで菓子屋がパイナップルを餡に使い始めたものの、当時のパイナップルは繊維が粗く、酸味も強いため、餡にすると口当たりがよくなかったんです。
そこで目をつけたのが冬瓜。稲作の休耕期に育てる輪作作物で手に入りやすく、値段も安いうえ、口当たりがなめらか。こうしてパイナップル、冬瓜、砂糖、麦芽糖を合わせた「パイナップル冬瓜餡」が生まれました。

もうひとつは酸味の問題。日本のメディアでも、台湾のパイナップルは酸味が強いので、まろやかにするために冬瓜を加える、と紹介されています。
ここが違う③:パイナップルの品種(開英種と金鑽)
日本統治時代に台湾で広く植えられたのが「開英2号・3号」という品種です。日本人が鳳山に台湾で初めてのパイナップル加工場をつくり、この品種を缶詰にして輸出していました。いま「土鳳梨」と呼ばれているのは、この開英種の系統です。
土鳳梨酥の多くは、この開英種を改良した台農2号・3号を使い、餡はパイナップルだけ。ほのかな酸味があり、繊維もはっきりわかるのに、硬すぎないのがおもしろいところ。近年はこの土鳳梨酥がふたたび注目されています。微熱山丘(サニーヒルズ)や一番屋も土鳳梨タイプの店です。
近年は、台農17号「金鑽」を使った「金鑽鳳梨酥」も登場しています。金鑽は繊維が細かく、ペクチンを多く含み、酸味と甘みのバランスがとれた品種です。大倉久和大飯店(The Nine)や一之軒の鳳梨酥に使われているのも、この金鑽。富錦街102号のbut.には「Soul mate 金鑽鳳梨」という一品があり、フランス・エシレのバターと嘉義・洲南の天日塩を合わせています。

ここが違う④:値段(1個あたりの目安)
今回登場するお店の値段を、1個あたりに直して並べてみました(箱の価格を個数で割った目安です)。
| 店 | 餡のタイプ | 1個あたりの目安 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 小潘蛋糕坊(板橋中正店) | — | 19元(1個売り) | 板橋のお店 |
| 手天品 | — | 32元(プレーン・1個売り) | 人工着色料・化学香料不使用の原色の餡 |
| 佳徳糕餅 | 伝統餡 | 36元(12個432元) | 第1回台北パイナップルケーキ文化祭で金賞 |
| The Nine(大倉久和) | 金鑽 | 40元(12個480元) | ホテルのパイナップルケーキ |
| 一番屋 | 土鳳梨 | 45元(10個450元) | パイナップルだけの餡 |
| 微熱山丘 | 土鳳梨 | 55元(10個550元) | 台北の店舗でお茶と試食あり |
今回の6軒で見ると、土鳳梨タイプの一番屋と微熱山丘は1個45〜55元。伝統餡の佳徳(36元)より、1個あたり9〜19元高めです。酸味と繊維感が好きならこの差を払う価値あり、まろやかさ重視なら伝統餡から入るのが手堅い選び方です。
ここが違う⑤:向いている人(好み別の選び方)
「台湾のパイナップルケーキはまずい」と感じた経験があるなら、決めつける前に、食べたのがどちらのタイプだったかを思い出してみてください。甘さやなめらかさが物足りなかった人と、酸味や繊維が気になった人とでは、選ぶべき1箱がまったく変わってきます。
まろやかな餡が好きな人には、伝統餡の佳徳糕餅(ジアダー)が候補です。 プレーン(原味)は12個432元。第1回台北パイナップルケーキ文化祭ではこのプレーンが金賞に輝いています。住所:南京東路五段88号/営業時間:8:30〜20:30。はじめての1箱なら、まずここから選べば間違いなし!
果物らしい酸味を楽しみたい人には、土鳳梨酥の微熱山丘と一番屋。 微熱山丘の民生公園店(住所:民生東路五段36巷4弄1号1階、10:00〜18:00)では、来店すると温かいお茶とパイナップルケーキ1個を無料で味わえます。土鳳梨酥が初めてなら、ここで1個食べてから買うかどうか決められるのがうれしいところ。

一番屋(住所:中山北路二段45巷35号3階)の土鳳梨酥は、パイナップルだけの餡で添加物なし。10個450元と、微熱山丘より1個あたり少し手ごろです。
原材料にこだわりたい人には、手天品が合います。 人工着色料や化学香料、ベーキングパウダーなどを使わない店で、パイナップルケーキの餡も脱色して色をつけ直さない「原色」です。値段は1個単位で、プレーン32元、クルミ入り35元。ただし支払いは現金のみです。住所:潮州街188-1号。
酸味と甘みのバランスを求める人には、金鑽タイプがおすすめです。 ホテルの箱で贈りたいならThe Nine(大倉久和、12個480元・20個780元)、バターの香りを楽しみたいならエシレのバターと嘉義・洲南の天日塩を使ったbut.の「Soul mate 金鑽鳳梨」と、贈り先で選び分けられます。
今回は、冬瓜入りでなめらかな鳳梨酥と、パイナップルだけで酸味と繊維感が残る土鳳梨酥を、餡、生まれた理由、品種、値段の4つから比べてきました。甘さとなめらかさなら佳徳、酸味と繊維感なら微熱山丘や一番屋、原材料なら手天品、バランスならThe Nineやbut.の金鑽タイプ。迷ったら、佳徳と微熱山丘を1箱ずつ買って、同じ日に食べ比べてみるのがおすすめです。もっと知りたくなったら、粉を混ぜて皮を作り、餡を包んで包装するところまで自分の手でやる、郭元益糕餅博物館のパイナップルケーキ作り体験もKKdayの日本語サイトから予約できます。
次に台湾を訪れる際は、箱を手に取る前に「冬瓜入りか、パイナップルだけか」を確かめてみてくださいね。きっと、自分の好みに合う1箱が見つかるはずですよ♪
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